身長が伸びるということは体の骨の中で長管骨という細長い骨~例えば上腕骨や大腿骨など~が伸びることです。しかし骨の発達具合を見るのにこれらの骨を全部レントゲン撮影するのは実際的ではありません。そのため骨年令を見るためには利き手ではないほうの手のレントゲン写真で判定されます。利き手を使わない理由は、利き手はよく使われるために発達がよくなってしまうと考えられているからです。そしてこの写真を年令の標準写真と比べて骨年令を割り出します。やり方はたくさんありますが要するに平均的な骨の発育と比べるのです。この評価によってたくさんの情報を得ることができます。
(骨年令/実際年令)の値が80%以下の場合、なんらかの異常があります。骨に関係するホルモンは成長ホルモンと甲状腺ホルモン、また性腺ホルモンもそうであり、これらのなんらかの異常が考えられます。これらは互いに協調しながら骨を成長~成熟させていくのです。
骨が伸びる部位は骨端軟骨という部分で、軟骨と本体の骨との間にスジが見られます。これを骨端線といいますがこれが消えてくると骨は成長を終えて大人の骨になり、もう伸びることはありません。ですから低身長をもし治療するとしてもこの骨端がまだ閉じていない時期でなければ遅いのです。
骨年令を調べるのは低身長を診るときの最初の検査です。しかし骨が伸びる余地が少なければ、治療が必要かどうかの検査は残念ながらできないこともあるのです。